「とにかく今はホームページなんだよ。」
都内の旅行会社を経営するS氏は、ホームページ運営が売上の勝敗を握っていると強く確信していました。
「この業界は、どこの会社も今はホームページからのお問合せで客が来るんだ。
うちのホームページはかっこ悪くてどうしようもないでしょ。
とにかく、ホームページを綺麗にして下さい。
そして、ホームページの悪いところをうちの社の者に教えてやって下さい。方向ややり方が分かればできる人材ですから。
何でも遠慮なく言ってくださいね。」
数年前制作したホームページの見栄えがよくない為、会社への信頼感が持てないのだろうとS氏は言うのです。
ホームページの質を上げれば成功するはずだとS氏は考えていました。
ホームページを拝見して1つ気になる点がありました。
ページ数が多いのに検索順位が100位圏外であることです。
S氏からの依頼は、ホームページのリニューアルでしたが、お話を伺うとリニューアルの中に「お問合せの収集対策」も含んで望んでいるのが分かりました。
そして、ホームページを診断してみると肝心な旅行の内容力が弱いのです。
ホームページ担当のスタッフが毎日のように更新し、イベントや格安ツアーを企画して集客対策の販売促進も考慮している …そんなホームページ運営のしっかりした体制で、しかもページ数も200ページ近いボリュームの大きなホームページなのに内容と呼べる文章が薄かったのです。
ホームページは、更新担当者が使い慣れているソフトで日々更新する為、内容部分には触れず、タイトル部分とメニュー・イメージ画像フッターなどの枠組み部分のデザインをし、既存のホームページにはめ込む形にしました。
ホームページは、ちょっとしたパーツが替わるだけで雰囲気やインパクトが大分違ってきます。
そして、S氏に言われたとおり遠慮なく問題点を担当者とS氏に伝えました。
「ホームページの質を上げるためには見栄えだけではいけません。
集客の為の検索サイトは、ページに書かれた文章が重要です。
ホームページの更新は、格安イベントの見出しやPRだけでは不十分です。御社の事業内容である取扱エリアの観光の魅力や、ツアーの具体的な内容、観光地の見どころなどをしっかり伝えてください。」
目的はお問合せの対策の為に何をすべきかという点です。
方向がつかめると、会社全体がひとつの方向に向かって動いていきました。
確かに「できる人材」でした。
ホームページをリニューアルしてから、わずか2週間で100位圏外だったホームページが、検索順位が4位になりました。
その1〜3位は、ガイドブックや取引先の業者で、いずれもS氏の会社のホームページにそのエリアは誘導しているので、ほぼ上位4位のホームページを検索・閲覧した訪問者は、S氏のホームページから申し込みを検討する形になりました。
「すいません。お問合せが急に増えて、ホームページの更新に手が回らないんです。」
そこまでお問合せが殺到するとは予想していませんでした。嬉しい限りです。
更新は定期的にできればこしたことはありませんが、毎日しなければいけない訳ではありません。
ホームページの目的に合わせて、対策をしていければ充分だと思います。
更にホームページに内容力が高まり、大きく質のよいホームページに育てていることでしょう。